こちらも2023年改訂版です。Amazonのアフィリエイトで本を載せられなくなりましたが、ワードプレス・テーマを『SWELL 』に変更したことでまたアフィリエイトで本を紹介できることになりました。

2021年にはまった本
2021年にハマったのは始めのブログでも紹介したルシンダ・ライリーさん。この方の本は今でもフィンランド語版が出るたびに読んでいます。去年の6月に亡くなってしまったのがとても悔やまれます。
その後に出会ったお気に入り作家さんはエリー・グリフィス。
分野としてはミステリー・推理小説。残念ながら私のお気に入りのルース・ギャロウェイシリーズは日本語では出てはいませんが、『見知らぬ人』というほかのシリーズが日本語訳されています。
Instagramの写真はルース・シリーズの14作目が出た時のもの。最近はライティングなどで時間が無かったのでまだ読んでいません。あらすじを読む限り、またルースの恋愛も動きそうです。
エリー・グリフィスについて
エリー・グリフィスは1963年ロンドン生まれの女性ミステリー作家。今年60歳ですね。
本名はDomenica de Rosa。もともとはこの名前で書いた本もいくつかあるようです。しかしながら、彼女のエージェントが、Domenica de Rosaという名前が彼女の書く推理小説とそぐわない!ということで、祖母の名前、エリー・グリフィスから作家の名前が誕生したというわけです。
エリー・グリフィスの作品
彼女の書くシリーズは私のお気に入りのルース・ギャロウェイシリーズの他にもあります。
ステファン&メフィストミステリーシリーズ。この本は彼女が実際に住むブライトンが舞台。と言っても1950年代です。2014年に一冊目が発刊され、現在まで6冊が出ていますが、私は読んだことがありません。以前は子供向けの小説も手がけていたようですが、現在はミステリー作家さんです。

日本語訳されたものは新シリーズ、ハービンダーという女性警官が主人公の小説。
ハービンダーシリーズ
ホランド、という怪奇小説作家の書いた『見知らぬ人』の一文からストーリーが始まります。主人公はこのホランドの研究をしているクレアという教師。彼女の友人が自宅で殺害され、そこには『見知らぬ人』を思い起こさせるメモが。彼女の周りを取り囲む不穏な動き。事件の捜査に関わるハービンダーという警官との関わり、そして次の殺人が。
ホラー小説「見知らぬ人」をたどって繰り広げられる殺人事件です。そこに絡んでくるのがハービンダーという女性警官。原書が「Strange Diary」ということもあり、小説だけでなく、日記にもまつわっていく連続殺人事件、犯人は?
といった内容。ルース・ギャロウェイシリーズよりも小ネタやちょっと笑ってしまうような要素が少なく、私としてはイマイチでしたが評価としてはかなり高いミステリー小説です。
ハービンダーシリーズに2作目『窓辺の愛書家』が出ていたので読んでみました。1作目『見知らぬ人』がイマイチだったため、あまり期待せずに読み始めたところ・・・、意外と面白かったです。日本では2022年8月に発売されていたようですでにいくつかのレビューが投稿されていました。トータル4.0程度なので1作目よりは少し良い評価でしょうか?
あらすじはこちらです。
ある日、90歳の老婦人ペギーが心臓発作で死亡します。発見したウクライナ人の介護士・ナタルカが再びペギーの部屋を訪れ、彼女の部屋の整理をし始めた時に目に入ったものは・・・不審なメッセージカード。ペギーの死に不審を抱いたナタルカは捜査官・ハービンダーに相談に行きます。ナタルカはペギーの友人のエドウィン、喫茶店のオーナー・ベネディクトと共に事件の捜査を始めるのですが。
ただの90歳の老婦人かと思われていたペギーですが、実は推理作家の執筆活動を助けており、『殺人コンサルト』と呼ばれていました。ペギーは本当にただの心臓麻痺で死亡したのか?ペギーの死の真相を知ろうとする3人の周りで次々と不審な出来事が起こり始めます。ペギーの死の裏に隠された真相は?
ハービンダーシリーズといっても面白いのはナタルカはじめ、周りのエドウィン、ベネディクトの人間模様です。1作目に比べるとクスクスっと笑ってしまうような描写も数多く、読んでいて楽しめました。おすすめです。1作目のクレアも登場していたことから、次作にも彼らが登場してくれるとますます面白くなりそうです。英語版ですでに発売されている3作目はハービンダーがロンドンに異動になったところから物語がスタートするようです。新しい彼女を取り囲む人間関係に目が離せませんね。
この本が発表されたのは2020年とウクライナ、ロシア間の戦争が始まる前だったことにもびっくりしました。戦争前であったにもかかわらず、ウクライナ・ロシア間の緊張した雰囲気が伝わってくる描写が多くあり、考えされられる作品にもなりました。
このブログを読んで興味が湧いた方はぜひ。前作との絡みもありますが、単発作品としても十分に楽しめます。
ルース・ギャロウェイの職業
話は戻ってルース・ギャロウェイ・シリーズに。
本の主人公、ルースは法考古学者。(forensic archeology)法考古学とは法医学と考古学を合わせたもの、とウィキペディアでは法人類学の一部に記載があります。
発掘された骨の情報をもとに、身元を特定(年齢、性別、身長など)するほか、死因や外傷など幅広い情報を得ることができるよう。骨は語る、ですね。それだけでなく骨が埋まっていた土や周辺から得られた情報を解析するのも彼女たちの仕事。



法医学者
また、周りに警察と協力して捜査に携わることもあります。小説の中でも多く出てきましたが、どこかで骨が発見されると犯罪に関わるかかわらず、彼女は呼び出されます。例えば新しいショッピングセンターを作るので地面を掘っていたら骨が見つかった、など。
この本は推理小説なので、犯罪に関係しています。
骨は語る
先ほども書きましたが、小説の中でも様々な考古学に関わる記載があり、とても興味深いです。
思春期前と後では骨の数や歯の数が違うので、そこから年齢が判定できたり。
特定の時期に使われていた歯の治療から死亡年次が判定できたり。
はたまた鼻から見つかった花粉がある地域限定のものであったり。
周りに埋まっている土の種類によっても骨の破損度が変わってきたり、などなど。
この本を読んで初めてこんな職業があることを知りましたが、楽しそうな職業でもありますね。
ルースが誕生するまで
話はそれてしまいましたが、そんなルースが誕生したのは、考古学者の旦那さんとヴァケーションでノーフォークの海岸を訪れたのがきっかけ。
そこの海岸の湿地帯は先祖から神聖な地として崇拝されてきた場所。満潮になれば地面がなくなり、引き潮となれば湿原が顔を表すという神秘的な場所。この、海岸でも海でもない場所にエリー・グリフィスは魅了されたそうで、そこから物語はスタートします。主人公のルースもこの湿地帯をこよなく愛しています。
ノーフォークとの関わり
もう1人のお気に入り、ルシンダ・ライリーもこの土地に関わりがあります。彼女を代表するセブンシスターズシリーズが誕生したのもノーフォークからでした。
もともと、セブンシスターズはギリシャ神話に登場するプレイアデス姉妹から来ており、それにちなんでプレイアデス星団ができたそう。ちなみに日本ではすばるの名前で呼ばれています。おうし座の散開星団とウィキペディアには記載されています。
2013年、ノーフォークでルシンダはこのプレイアデス星団を見て、彼女の代表作『セブンシスターズ』のアイディアが生まれたと言われています。
『セブンシスターズ』の完結編、『ストーリー・オブ・パ・ソルト』発売まであと1ヶ月を切りました!
好きな作家さんが2人もこの場所に関わりがあるので、いつかは訪れて見たい場所でもあります。
ルース・ギャロウェイシリーズについては次のブログで紹介させていただきます!
いつもお付き合いいただきありがとうございます。
日本にいた間は3ヶ月で2冊ほどしか本を読めませんでしたが、フィンランドに帰ってきてから2ヶ月弱で3冊ほどよみました。思い起こしてみれば2023年に入ってからは推理小説しか読んでおらず。最初に読んだ2冊は木曜日の殺人クラブシリーズです。80歳過ぎのシニアが活躍する推理小説でコメディ要素が多く、楽しめました。こちらも機会があれば紹介させていただきます。
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