
先日のブログで紹介した花粉症の元凶、白樺。フィンランドに行ったことがある人なら必ず遭遇したことがある白樺について今日はご紹介します。
白樺の木
白樺silver birchの日本語の正式名称はシラカンバ。カバノキ科カバノキ属の落葉樹です。樹皮が白いカバ(樺)というところから、白樺と呼ばれています。
こちらでは5月くらいに暖かくなってくると緑の芽を吹き出し、夏の訪れを感じます。
そして10月くらいにはきれいなオレンジや黄色の紅葉の後、落葉し、冬の訪れを告げるのです。
ヘルシンキ周辺でも紅葉しますが、北のラップランドの紅葉は壮大。9月くらいから紅葉が始まり、とても綺麗です。いつかは行ってみたいですね。

母なる木、マザーツリー
白樺の木は、太陽光があればやせた土地にも育つことが知られています。山火事などで土地から緑が一掃された後に、1番初めに芽吹くということから、マザーツリーもいう名称でも呼ばれているそう。落ちた白樺の葉が土地を豊かにし、他の木々が育つのを手助けしてくれるようです。
もののけ姫の最後のシーンで木が戻ってくるのは白樺なのかもしれないですね!じゃ、コダマも住んでいるのかなぁ…。

白樺の木は太陽を求めて育つので、上に上に伸びていきます。なので、あまり幹は太くならなくて背たかのっぽになるのが特徴。しかしながら、他の木が育ってくると白樺は木々の影に隠れて太陽を浴びれずに枯れてしまうそう。
そして白樺が白くいられるのも20年から30年と言われ、その後は樹皮が少しずつ茶色っぽく、黒っぽくなって来ます。それでも、白樺はたくさんのタネをばらまき、次世代たちが次から次へと育っていくのです。
By Roger prat – Oma teos , CC BY-SA 3.0, Linkki、左に生えているのがご高齢の白樺です。
フィンランド人と白樺
白樺は目を楽しませるだけの木ではありません。他にもフィンランド人との深いつながりがあるのです。
木材、家具として
昔から白樺は木材、薪として使用されていました。フィンランドを代表する建築家、アルヴァー・アアルトが白樺に目をつけます。その後は白樺が家具にも多く使用されるようになるのです。白樺の色はナチュラル・ブラウンというのでしょうか。とても綺麗な色でどんな家にもよく合います。日本の家にも合うのではないでしょうか?

白樺細工として
白樺の樹皮からカゴやバッグなどの小物を作ります。テレビやネットで出会ったことがある方もいるかとも思います。ワークショップなどで樹皮から自分のカゴを作れる所もあるようです。こちらの茶色も綺麗、そして使っていくうちに自然と色と形が馴染んで来て味が出て来ます。我が家はキノコ狩り、薪入れなどに使っています。


ヴィヒタvihtaとして
ヴィヒタとは一体なんでしょう?
答えはサウナに。
白樺の枝を束ねたもので(写真参照)、サウナの時にこのヴィヒタでパシパシと体を叩きます。そうすると血行促進になるとか。あとは白樺のアロマ効果でリラックスできるようです。こちらはフィンランドの夏至際の時によく使われ、その時期にはスーパーでも目にすることが多くなります。
By kallerna – Oma teos, CC BY-SA 3.0, Linkki
おなじみキシリトールとして
日本でもおなじみのキシリトール、こちらも白樺の成分だと知っていましたか?白樺に含まれるキシロースから合成されるキシリトールが虫歯予防に効果があるということは、皆さんも知っているかと思います。こちらではキシリトールガムの他にパスティリと呼ばれるキャンディーのような形でも売られています。
息子が保育園にいた頃は食事の後にこのキャンディーを保育士さんからもらって虫歯予防。しかしながら息子は噛むことが大好きだったので、口に長く留まらせることで効果が期待アップ!はしなかったかと思われます。
そして、虫歯予防といえば歯磨き粉!こちらにも入っています。



美容にも
色々調べてみるとこんなことも。白樺が芽吹く頃に幹に傷をつけると樹液が大量に出るそう。その成分にお肌の保湿を促進する効用があるため、化粧品にも使用されているようです。
そんなこんなで調べていたら銀座koive(コイヴ)という会社が化粧品とカフェをやっているということを知りました。フィンランド語で白樺のことをkoivu(コイヴ)というので、そこから名前を取っているのでしょう。養生堂という会社が企画しているブランドだそうで、中に入ると白樺の森の世界が待っています。今度日本に帰ったら行ってみたいです。
さてさて、今回はフィンランドの白樺について紹介させていただきました。
本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。
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