フィンランドについて知っている方なら馴染みのあるだろう、コルバプースティというシナモンロール。シナモンロールといって思い浮かべるのは上向きのウズマキ型、アイシングがかかっているようなタイプではないでしょうか。

フィンランドのシナモンロール、コルバプースティ korvapuusti
フィンランドのシナモンロールの知名度が一気に上がったのは『かもめ食堂』ですよね。シナモンロールを焼く匂いにつられて来たフィンランド人のお客さんがお店にやってくる場面を覚えている方もいるのではないでしょうか。それくらいフィンランド人はシナモンロールが大好き。フィンランド語でコルバプースティと言います。

一味違うフィンランドのシナモンロール
フィンランドのシナモンロール、コルバプースティがほかとひと味違うのは、生地にカルダモンを混ぜ込んであること。フィンランドの菓子パン生地にカルダモン抜きの生地が入っているのを見つけるのが難しいくらいポピュラーなスパイスです。
コルバプースティにはシナモンとカルダモンの芳香性の高いスパイスが混ざり合ってなんとも上品な味になるのですが、何でもかんでもカルダモンが入っている菓子パンには多少閉口します。ドーナツにもカルダモンが混ざっているとなんとも言えず残念な気持ちになります。
フィンランドでは粗挽きのカルダモンを売っているのですが、日本で手に入るのはホールかパウダーのみです。パウダーは香りがあまりしないので、ホールを買って中から種を取り出し、すり鉢とすりこぎで細かく砕くと良いでしょう。

フィンランドのコルバプースティが違うのは生地だけではありません。形もちょっと違っています。
ビンタされた耳、とも訳されるだけあって耳が押しつぶされたような形をしています。
最後の大きな違いは上にのせる砂糖です。パールシュガー、ワッフルシュガーなどの写真にあるような大きな粒の砂糖です。高温でも溶けにくいのが特徴でオーブンで焼いても綺麗な白色です。アイシングとは違ったカリカリの砂糖と、フワッとしたパン生地の食感が絶妙です。



フィンランド人にとってのシナモンロール
映画『かもめ食堂』からもわかるようにフィンランド人にとってのソウルフードとも言えるコルバプースティ。どこのカフェに行ってもコルバプースティを見ないことがないくらい、フィンランド人のコーヒーのお供としては欠かせません。
オーブンで焼くパンの香りにはいつも引き寄せられますが、シナモンとカルダモンの混ざったコルバプースティの焼ける匂いはまた格別。


子供から大人まで愛してやまないフィンランドを代表する菓子パンがコルバプースティです。
高温で焼き上げるコルバプースティは時間が経つと固くなってしまうので、焼きあがったものをすぐ食べるのがベスト。でも、カフェに置いてあるのはいつ焼いたか分からないコルバプースティなので、カチカチに固いことが多いんですよねぇ。
だったら自分で作ってみるのが1番です!よね。


コルバプースティ
Ingredients
生地
- 7-8 g ドライイースト もしくは25g 生イースト
- 2 1/2 dL 牛乳
- 1 個 卵
- 1 dL 砂糖
- 1 tsp 塩
- 1/2 tbsp カルダモン
- 500 g 小麦粉
- 100 g バター またはマーガリン
フィリング
- 50 g バター またはマーガリン
- 1/2 dL 砂糖
- 1 tbsp シナモン
仕上げ用
- 溶き卵
- ワッフルシュガー もしくはアーモンドダイス
Instructions
- ボールに人肌程度に温めた牛乳を入れ、イーストを溶かす。そこに卵を溶いたもの、砂糖、塩、カルダモンを加えて混ぜ、小麦粉を少しずつ加える。目安は生地がある程度まとまって、指やボールにくっつかない程度まで。最後に室温で柔らかくしておいたバター、またはマーガリンを加え混ぜる。表面が滑らかになってきたら生地を丸くまとめ、閉じ目を下にして、ラップをしておく。
- その後、生地が2倍になるくらいまで30分ほど発酵させる。(室温によっても発酵時間は違うので、目安は2倍くらいの大きさになるまで)
- めん棒で生地を30×60cmくらいに広げる。その上にバター、またはマーガリンを塗り、シナモンシュガーを均一に振る。
- 生地をややきつめに巻き、閉じ目を下にしておく。包丁で斜めに切り分ける(出来上がりが台形になるように)
- 閉じ目を上にして、指でその上から押しつぶして、断面が上の方向を向くようにする。
- 生地がひとまわり大きくなるまで、室温で約30分発酵させる。
- 溶き卵を表面に塗り、その上にワッフルシュガー、もしくはアーモンドダイスを振る。
- 225℃のオーブンで8〜10分焼いて出来上がり。熱々のうちに召し上がれ。
成形の部分がわかりにくいと思うので、こちらの画像を参考にしてください。日本でカフェを借りて行ったコルバプースティ・ワークショップの時の写真です。


日本でも人気のコルバプースティ
『かもめ食堂』の大ヒットから注目されたフィンランドのシナモンロール。
2017年にできた鎌倉にある″ライ麦ハウスべーカリー″。こちらでも本場のフィンランドのコルバプースティが味わえます。ネット販売も行なっているので興味がある方はぜひ。コルバプースティ だけではなく、ほかのライ麦パンやフィンランドパンも美味しいです。
鎌倉の小町通りを抜け、人通の波からは少し離れた落ち着いたところに位置しています。




実店舗だけでなく、現在はオンラインでもパンが買えるほか、飯能市のムーミンバレーにも商品を下ろしている本場のフィンランドパン屋さんです。最初にオーナーさんご夫婦に会った2017年当時はご主人が電車に揺られて鎌倉から飯能まで運んでいる、なんて話もしていました。今やすっかり有名パン屋さんになっているのでしょう。
最後に
ブログを書いていたら、コルバプースティが食べたくなり、朝からコネコネ、焼きました。
やっぱり焼きたてのコルバプースティは何にもまさる週末のご褒美。みんなでワイワイ作れるのも楽しいです。
フィンランドのコルバプースティの3つのポイントは、
- カルダモンシード を細かく砕いて生地に混ぜる
- 成形がポイント、ウズマキは横向きに
- 上にのせる砂糖はパールシュガー、ワッフルシュガーで
だけ。
焼き立てを美味しいコーヒーと一緒にお召し上がりください。


本日も最後までお付き合いくださった皆さま、ありがとうございます。
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