夏休みも残すところ1週間!

といっても息子の夏休みですが。
大人たちはすでに夏休みを終え、仕事へ復帰しています。
4週間の休みの後の社会復帰は、しんどいです。
2週間しか取らなかった私でさえ、仕事復帰初日は、仕事モードのスピードについていけませんでした。
こんなにも長期夏休みが取れるのはフィンランドのいいところ。
でも、実際に仕事は動いているのでしょうか?
答えはイエスでもあり、ノーでもあります。
旦那のようなIT系の会社は顧客先も夏休みを取るので、仕事依頼が半端なく減ります。
もしくはないので、みんながほぼ同時期に4週間の休みを取ります。
自身が働くのは医薬品の工場のようなところ。
そういうところでも夏休みは4週間取れるのでしょうか???

ちょっと仕事のお話をさせていただきます。
現在勤務しているのは、薬の一包化の会社です。
薬の一包化について
では薬の一包化とは一体なんでしょう?
実際に知っている方も多くいるとは思いますが、簡単に説明させていただきます。
薬を飲む時、朝食後、昼食後、夕食後、などと時間が決まっていると思います。
薬の数が少なければ自分で飲むことも苦ではありません。
しかし、同じ時間に薬を何錠も飲む場合、ひとつの包装にまとまっていたら楽だし、飲み忘れも少ないとは思いませんか?
そんな発想で生まれたのが薬の一包化、です。
日本では下の絵のようなシステムで一包化が流れています。

しかしながら、フィンランドは違ったシステムです。
病院での一包化はありますが、入院患者さん向け。
では他の人はどうしているか、というと、薬局が注文を受けています。
そして薬局が一包化の注文を受けた後は、一包化の専門会社に依頼をする、というシステムです。
つまり、自身が働いているのはその専門の一包化会社、というわけです。
ファルマック、Pharmac Oyという会社
YouTubeで我が社ファルマックPharmac Oyを紹介したビデオがあるので添付しておきますが、フィンランド語です。
おまけに日本語の字幕がないので、雰囲気だけ味わってみてください。
日本の薬局に置いてある一包化の機械とは様子が違います。
同僚は写っていますが、残念ながら、自身は写っておりません(涙)。
簡単に仕事の流れを説明すると。
1.一包化の機械(日本製)を使い、薬を分包する。
2.分包された薬が正しく分配されているか、一包ずつ全て写真を撮る。
3.写真で正しくないと判断されたものを実際に監査して、必要があれば手直しをする。
4.そして、完成した一包化の薬を薬局に送る。
ざっとこんな流れになります。
薬局では出来上がった薬を、それぞれの介護施設に割り当てます。
そして、受け取った施設で、介護士さんが薬を患者さんに分配する、というわけです。

実際に現場で働く介護士さんは、薬のチェックをして、ドクターの指示に合わせて、さらに薬の調整をします。
なので、こんな感じの小さな容器に移し替えられてから、患者さんのところに届きます。

もしくはこんな感じで、曜日ごとに分けられたピルケースに移し替えられ、飲む患者さんもいます。
こちらは在宅ケアで、ある程度自分の薬が管理できる方でしょう。
一包化会社の夏休み
想像できるかと思いますが、医療業界には夏休みなどありません。
では私たちには夏休みがないのか?
いえいえ、そんなことも決してないのです。
では、みんなが夏休みを取っている間は、誰が一包化の機械を動かすのでしょう?
答えは。
学生さんです。
学生さんに支えられる職場

夏休みの間は、学生さんがお金を稼ぐためにバイトに来るので、そのパワーに頼っているというわけです。
大体は薬学部の学生さんだったり、医療系の学生さんだったりですが、業種にかかわらず募集を見てくる人もいます。
そういう人たちに支えられて、私たちも晴れて夏休みをいただけるのです。
そして、去年から行なっている試み。
従業員の子供たちに夏の間は手伝ってもらおうじゃないか!
ということで。
15歳以上の学生さんたちを2週間だけ雇い、お手伝いをしてもらう、というシステム。
子供たちの夏休みは2ヶ月以上あるので、2週間社会勉強をしても、そんなに苦ではないのではないでしょうか?
もちろんお小遣い稼ぎにもなる上に、職業経験として履歴書にも書ける、というわけです。
実際の薬を扱う業務には携わることはできませんが、仕事はそれだけではないので、人手があると助かるのです。
そのような学生さんたちに、私たちの仕事は支えられています。
夏休みを思いっきり楽しむ!

日本も夏休みをせめて、2週間でも普通に取れるようになれば、従業員の仕事への士気も上がるのではないでしょうか?
まぁ、こちらで4週間の夏休みの後は士気は上がりませんが、休みを楽しみに仕事をしています(笑)。
休みの間は仕事用のパソコンも開けず、仕事の電話がかかってきても出ない!
ホリデーを思いっきり楽しむのがフィンランド流。
自分自身もすっかりそんな生活に慣れてしまいました。
とは言っても、コロナと契約の都合でここ2年間は夏休みは1週間しか取りませんでした。
日本人ですねぇ。
今年は久々に長期休んだら、仕事復帰できなくなってしまいました。
では、どうやって、自身がこの職場にたどり着いたのか?
そちらは次のブログで紹介させていただきます。
本日もお付き合いいただきありがとうございました。