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ルバーブと共に感じる夏

スーパーの店頭にもルバーブ

さてさて今日はルバーブのお話。

ルバーブがスーパーの店頭に並ぶと、夏が近づいてきているを感じます。

しかしながら、これまた残念ながら日本では生のものは馴染みのないものではないでしょうか?

が!こちら意外と身近に手に入るものだと知っていたでしょうか?

ルバーブについて

ルバーブはタデ科ダイオウ属の食用にされている栽培品種です。和名はショクヨウダイオウなど。多年草で太くて短い地下茎を持ちます。葉に関しては有毒。緑白色の小花が集まり、花序になっています。

薬に関わったことがある方ならピーン!と来るダイオウかと思います。

薬用ダイオウとして

西洋でいうルバーブの根(近縁種)は中国医学の中で大黄と呼ばれ、下剤として数千年にわたって用いられています。

下剤、つまりはお腹を下す、便秘薬です。

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ルバーブ 作用

使ったことはなくとも、コッコアポEX、ナイシトールZaなど耳にしたことはある方もいるかと思います。肥満を取る、という謳い文句で売られてはいますが、誰にでも合うというわけではないで痩せ薬として使うのは危険です。下剤が入っているということをお忘れなく。。。

漢方薬として使われていた大黄が西洋に伝わったのが1600年代と言われています。現在ではアントラキノン誘導体センノシドの成分で西洋医療でも下剤として使われています。

食用としてのダイオウ、ルバーブ

根は下剤として使われるルバーブですが、食用となるのはどこなのでしょう?

答えはこちら。

ジャーン、地下から伸びる茎の部分です。

葉っぱは有毒物質を含んでいるのでくれぐれも生では食べないように!

有害物質?

の正体はシュウ酸と呼ばれるもの。このシュウ酸、それだけでもそれだけでも腎毒性があると言われていますが、その他に血液中のカルシウムと結びついてカルシウムの塊、結石を作る、という悪さをします。特に尿路系の結石を引き起こすそう。

ホウレンソウの中にも含まれているシュウ酸。こちらは茹でることで減らせることができるよう。でもルバーブの葉っぱは食べずにおきましょう。

茎の中にも多少ですが含まれるシュウ酸さん。そのため、牛乳などの乳製品と一緒に食べることが推奨されています。

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なぜか?

それはルバーブのシュウ酸(腸内)と食事からとったカルシウムが結合して便として排出されるため、結石を作らないで済む、というわけ。フィンランドでもルバーブパイは生クリームだったり、バニラソースだったりを合わせて食べるので、納得です。味もさらに美味になり一石二鳥ですね。

食用ルバーブの歴史

実際にルバーブをいつから食べ始めたかははっきりしていないようですが、16世紀後半には葉を煮て食べた、18世紀にも茎を食用にしていたという記載があるそう。

しかし、ルバーブがおおいに広がったのは19世紀に入ってから。茎を食用として売り出しましたが。薬用植物として知られていたことから。

⎡下剤のパイを食べさせようとしている!⎦

と毛嫌いされ、売れ行きは芳しくなかったそう。

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しかし、ここで農園主のマイアットさん考えます。

名前をカッコよくしたらいいんじゃない?

王室由来の名前、ヴィクトリア、プリンス・アルバートなどの品種で売り出したところ、認知度がアップしたようです。

それに合わせて砂糖の値段が下がったことで、ルバーブと砂糖を一緒に煮る、という調理法が一般的に。

甘い品種の開発や、缶詰としての商品化をして需要が一気に高まりました。

そして1939年ルバーブ最盛期を迎えたわけです。

しかし、第二次世界大戦時、砂糖や燃料が配給制となり、労働者が不足し栽培が難しくなりました。戦後も以前のルバーブ人気は戻らず、おじいちゃん、おばあちゃんの食べもの、として知られていた時期もあるそう。

再度脚光をあびたルバーブ

しかしながら、最近、自国で自給自足!の動きが高まるに連れ、ルバーブを自分の庭で!という家庭も多くなってきているようです。

しかし、多年草なので、一度植えてしまうとけっこうな勢いで増えるようで、ジャムやケーキを作っても消費しきれないルバーブ。

さて、どうしましょう?

そんな時は職場やご近所さんにおすそ分け。私も職場から支給されたルバーブを持ち帰ってケーキを作ったりしています。

その他にも、最近はルバーブは健康にいい、と言われていることから注目を集めています。気になる健康効果は、ルバーブの成分のところで触れさせていただきます。

食品としての利用

food wood menu restaurant
Photo by Kulbir on Pexels.com

ルバーブには酸味のほか、独特な硫黄化合物の匂いがあるようで。これを抑えるために砂糖を加えて調理するのが一般的。

茎には水分が多く含まれているため、水を加えずに砂糖のみで十分。そこにコーンスターチなどでとろみを加え、パイのフィリングとして食するのがアメリカやイギリスの一般的な食べ方。

他にもイチゴやリンゴと混ぜてケーキ、パイとして食したり、ジャム、ドリンク、ソースとして使われたり、色々なバリエーションが楽しめます。

a bowl of citrus fruits and jams on white table
Photo by Kulbir on Pexels.com

フィンランドではルバーブを角切りにしてリンゴやイチゴと一緒にパイやケーキに混ぜることが多いです。酸っぱ甘い味がなんとも言えず癖になります。

しかし、ここで注意したいのが強い酸味。調理や保存には耐酸性のあるステンレスやアルマイト、テフロンコートなどの素材が適しているそうです。

ルバーブの成分

ルバーブ100g中、炭水化物5g程度を含みますが、タンパク質、脂質は少なく、ほぼ含まれてはいません。酸っぱいことからも予想できるようにビタミンではCを多く含む他、ビタミンAも含み、ミネラルとしてはカリウム、マグネシウムを含みます。

食物繊維も多く含まれていることから、整腸作用、デトックスにも効果があると言われているよう。ビタミンCも多く含まれるので美肌にもなるとか。聞くだけではいいことばかりですが。

このブログを読んでルバーブのことが気になった方、試してみたくなった方がいましたら、種を購入することもできます。

冬の寒さには強いルバーブですが、30度以上の暑さには弱いそう。今からの種まきは向かないかもしれませんが、9〜10月の種まきも可能。

そんなこんなで日本では北海道、長野が栽培に適しているよう。そちら方面に旅行に行かれる場合は、道の駅やスーパーをチェックしてみると手に入るかもしれません。

種からはちょっと。でもジャムを食べてみたいという方はこちらから。

ルバーブジンジャーのジャム、気になりますね。

ルバーブケーキのレシピを紹介しようと思いましたが、ルバーブトピックでかなり長くなってしまったので今日はこの辺で。レシピはまた次のブログで紹介させていただきます。

本日も最後まで読んでいただきありがとうございました。

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「ルバーブと共に感じる夏」への1件のフィードバック

  1. ピンバック: キュロ Kyröについて - miyukiville in フィンランド

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