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オススメ作家さん1、ルシンダ・ライリー

『セブンシスターズ』、ルシンダ・ライリー

『セブンシスターズ』の改訂版を作ろうとブログを書いていたところ、ストーリーだけで膨大な量に。でも、作家さんについても紹介したい!の思いから、今回は作家ルシンダ・ライリーさんについて書かせていただきます。調べてみるとルシンダ・ライリー本人も、小説のような波乱万丈な一生でした。

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ルシンダ・ライリー 出身地

アイルランド出身の作家さん

ルシンダ・ライリーは北アイルランド、リスバーン出身。小学校入学と同時にロンドンに引っ越します。当時は、読書のほかにバレエに夢中な女の子。ルシンダはバレエの才能を開花し、トップまで登りつめます。

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ルシンダ・ライリー バレエ

しかし。彼女の体が悲鳴を上げ、バレエを続けることができなくなりました。バレエの代わりに彼女が見つけたのは役者としての道。14歳から始めた演劇が評価され、16歳にはBBCのドラマに出演することとなります。その後も役者としての道を歩み、いくつかの演劇やテレビドラマに出演しました。

しかし、彼女の身に次の悲劇が訪れます。

作家としての道

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ルシンダ・ライリー 病気
Photo by Pixabay on Pexels.com

22歳のルシンダはエプスタイン・バール・ウイルスというヒトヘルペスの一種に感染し、数ヶ月のベッド生活を余儀なくされます。病気のためにオーディションにも行けず、思うように動けなかった彼女が病床で見つけたことは。。。

小説を書くことだったのです。

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小説を書くことに喜びを見出し、2ヶ月の間で600ページの作品を完成させます。600ページというと『セブンシスターズ』一冊分の量なのでかなりの大作です。当時、ルシンダは自分の時間を費やすための趣味として小説を書き上げたものの、彼女の友人が小説に目をつけます。

知り合いのエージェントにルシンダの書いた小説を見せると、すぐに興味を示し、出版を提案されました。しかし、小説は書いただけでは終わりません。編集をするためにタイプライターが必要になりました。しかし、彼女にはタイプライターを買うお金もありません。

彼女が選んだのは。。。

ウェディングドレスを売ってタイプライターを買うこと。

その結果はいかに?

ルシンダ・ライリー、小説家としての成功

現在のルシンダ・ライリーがあることから想像は簡単ですね!記念すべき1冊目は『ラバーズ・アンド・プレーヤーズ lovers and Players』。旧姓のルシンダ・エドモンドとして25歳で作品を発表します。残念ながらこの本は読んだことはありません。

彼女はそこから小説家として成功し、2000年までの9年間に8冊の本を出版します。

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皇室スキャンダルの小説

しかしながら、その中の一冊は皇室スキャンダル。出版はされたものの、店頭に並ぶことはことは無かったそう。当時は皇室スキャンダルはアンタッチャブルの領域だったようで、日の目を見ることはありませんでした。

しかし、その後ルシンダが『セブンシスターズ』で注目されてからはこちらの作品も店頭に!名前を変え、『ラブレター』として2017年に出版されました。こちらも残念ながら、日本語は出ていないかと思われます。

−1995年ロンドン、95歳である有名な俳優が死亡します。この俳優の葬儀に参列したジョアンナというジャーナリスト。そこで出会った老婆からある秘密を話したいと言われます。数日後、彼女の元を訪れたジョアンナはその老婆が亡くなったことを知ります。その死に疑問を持ったジョアンナは彼女のことを調べ始めますが、そこには思いもよらない皇室スキャンダルが隠されているのです。

というのがあらすじです。私はちょっと暗めの話だったのと、ルシンダの描く世界と少し違ったので星3つです。エドモンドとして書いていた作品と知り、納得しました。

その後はしばしの休業

2000年以降は小説家としてではなく3児の母としての10年間を過ごします。その間はイギリスとアイルランドを行き来し、現在の夫ステファン・ライリーと出会うことになります。そこからルシンダ・ライリーの名前が誕生したわけです。

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ステファンとの間にも1人の子供を授かり、4人の子供と生活。現在、子供や夫は彼女を支え、小説の出版にも多く携わっているよう。夫のステファンは彼女のエージェントとして、上の子供達は小説のPRやメディアに関わっているそうです。

ルシンダ・ライリーとしての作品

10年のブランクの後、ルシンダ・ライリーとして2010年『オーキッド・ハウス(もしくはホットハウス・フラワー)』を出版します。

−世界的なピアニスト、ジュリアは傷ついた心をかかえ、幼少期を過ごしたファートン・パークを訪れます。そこは大好きな祖父と過ごした楽しい思い出がある場所。パークを訪れると現在のの持ち主、クラフォードとの出会いが待っています。ジュリアが癒しを求め、たどり着いた地で彼女を待つものは?過去のクラフォード家の秘密とは?ある日記をきっかけに、時は1930年代に戻り。。。

以上があらすじ。こちらはルシンダらしい作風で現在と過去を行き来しながら謎が解き明かされます。この本はこれぞルシンダ!という作品で好きです。数あるルシンダの作品のベスト3に入ります。もちろん星は5つです。

その後は精力的に小説家として活動し、2014年には彼女の代表作、『セブンシスターズ』が出版されます。『セブンシスターズ』の間にも単発小説を書いているので、現在までルシンダ・ライリーとしての作品は合わせて16作品。かなりの量ですね。彼女のアイディアは尽きることがないようで3ヶ月の間に一冊の本を書き上げるよう。それからの編集の方が大変だそう。

最後まで走り続けたルシンダ

そんな彼女も4年間のガン闘病の後、2021年6月11日に55歳の若さで亡くなりました。『セブンシスターズ』の7冊目が出版された直後でした。

彼女の頭の中にどれだけの新しい小説のコンセプトがあったのでしょう?それが発表されず一緒に眠ってしまったかと思うと、とても悔やまれます。心よりご冥福を祈ります。

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しかしながら、自分の才能を大きく開花させ、太く短く人生を終えた彼女。悔いがないとは言えませんが、最後まで自分の好きなことを追い続け、100パーセントで走りきった人生と言えるのではないでしょうか?

彼女も自分の病気を案じていたのか、『セブンシスターズ』シリーズ、最後の一冊、パ・ソルトの日記については息子さんと構想を練っていたそう。小説の完結編、『ストーリー・オブ・パ・ソルト』は2023年春に出版されます。

今回は、ルシンダ・ライリーという作家さんについて紹介させていただきました。いかがだったでしょうか?

このブログを通じてルシンダに興味を持ち、本を手にする方がいれば幸いと思います。次のブログではいよいよ気になる作品、『セブンシスターズ』について紹介させていただきます。

本日も最後までお付き合いいただきありがとうございました。

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